TEL.
055-298-4566 |
ここでは、患者さんにお渡ししている「ニュースレター」や「お休みのお知らせ」の中から、身体・治療に関する事を書いた物を集めております。
一体、誰が読むんだ!!と思える内容なのですが、当院に来てくれるクライアントさんは理論好きで意外に読んでいて下さり、逆にマニアックな質問を受けたりもします。
そんな質問に答えられる様に勉強し直したり情報を集めたりして、クライアントさんと切磋琢磨して出来たページです。
お時間が取れる時に読んでみて下さい。
※毎回、枕の部分とお尻の部分の内容が全然違っていて「フリ⇒オチ」になっていない!とご指摘を受けます。
その通りなので、文章力のなさを痛感しています。。。
あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 |
---|---|---|---|---|
は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 |
[さ]・・・ サルマネ |
自分の治療は師匠達のサルマネから始まっています。師匠「達」としているのは、一人ではないからです。理由はいろいろありますが、ひとつの治療法で全てを賄えるという事はないからです。
ゴルフもカップに入れる目的は一緒であっても、アプローチは様々ですよね! 飛ばしてくる人もいればきざんでくる人もいます。
決して治療法を求めたわけではありません。自然に増えていったと言えます。そこでまず、師匠の動きを真似ることから始まります。そこには本来、理論があり、その理論を理解してから技術の研鑽をします。
しかしながら、理解の範囲を越えた理論は理解は出来るがイメージが出来なかったり、イメージは出来るがテクニックに反映されなかったりする事があります。勿論、理論をよく理解してからのほうがいいのですが「習うより慣れろ」の感覚の方が上達が早いのです。
よく例えで言うのですが、イチロー選手の打撃理論を理解してバッティングに生かすよりも、イチロー選手のバッティングホームを真似してスイングをしたほうが打てる気がしませんか?あくまでも例えですが、目で見て身体で感じて同じ空気感を共有したほうが上達が早いのです。
では、どの位の期間を要するのか・・というと、
師匠曰く、「ひとつの技を一万回しなさい!」
これは冗談でもあり、本質なのかもしれません。
職人さんの世界、プロスポーツの世界、その道のトップと言われる人は軽く10年20年、何千回、何万回という鍛錬の上に成り立っていると思います。
まずはその入り口としてなりたい人物を思い浮かべ、何度も何度も真似をしてみる、そうする事で見えてくる景色や考え方が少しでも師匠に近くなってきたら、自分の味付けや他の物も取り入れていくのが上達のポイントだと思います。
これは治療だけではなく、武道やスポーツ、熟練を要するような技術職の方々の世界にも言える事です。
「サルマネ」でもいいので、自分がなりたい姿をイメージできるメンターを見つけるといいですね。
[し]・・・ しおり |
「しおり」の意味は、<目印や案内書、手引き>とあります。
身体の不調を感じた時に思い出して頂き、皆様の健康のお手伝いが出来ればと考えて付けました。
※開業の際、一緒に立ち上げた「しおり在宅マッサージ」の院長、増田憲先生と自分がサザンオールスターズのファンだったので、SASの曲の「栞のテーマ」からインスパイアされた事も一つの理由です。
[す]・・・ スリム |
最近のファッションの流れは「スリム・タイト」なデザインが主流ではないでしょうか?
スキニーやシェイプフォルムという表現だったりしますが、とにかく身体の線が出るようなデニムやパンツが多く売られています。女性に限らず、男性のスーツも昔に比べるとかなりタイトなデザインが多いです。自分がスーツを着始めた頃は、「イタリアンスーツ」と言われる、まるでトレンディドラマに出てくる様なかなりゆったりとしたデザインでした。
で、話を戻しますが、スキニージーンズによって神経痛や精子の数が減少するなどの研究発表が報告されています。(「スキニージーンズ 神経痛」で検索してみてください)
当院でもこれに近い感じの症状で来院される方がいます。病院でヘルニアとか坐骨神経痛とか大腿神経痛などと診断されて飲み薬や貼布薬を処方されても変化がなく、来院されるのですが、その殆どの方に患側の股関節に屈曲制限が見られます。上記の研究では大腿皮神経の圧迫による痛みと記されていますが、私見ではありますが、股関節の屈曲制限を元に考えれば鼠径部や大腿部の持続的圧迫と運動時の筋収縮により外側罹患部と内側および後面部の筋群に流体速度の差が生じて、大腿部外側の筋群の筋膜流体の機能異常が引き起こされるのではないかと推察されます。
ただ、あくまでも仮説であって大腿皮神経の圧迫によって一時的な麻痺状態が形成されそのことで外側の筋のニューロンが栄養不足に陥って⇒機能異常となっているのかも知れません。
どちらにしても「スリム」主犯説になってしまうのですが、決して弊害ばかりではありません。スキニージーンズを履く為にスタイルを気にして食事やエクササイズに気を使う事はいい事だと思いますし、実際細く見えますからね!
もし、このコラムを読んで思い当たる方は、暫くはスカートやゆったりとしたパンツを履いてみてください。
[せ]・・・ 仙腸 関節 |
仙腸関節に関しての解剖生理、運動学、治療学、セミナー 等様々なものをインプットしてきたつもりですが、まだまだその境地まで辿り着いていない・・そんな関節です。
以前までは不動関節(動かない関節)と言われていたぐらいノーマークな関節でしたが、実は二足歩行をする人間にとっては(もしくは二足歩行するようになったので、かも知れませんが)大変重要な役目を担っている関節であると言えます。普段は意識をして動かす事の出来ない関節で動いても1〜2ミリ位しか動きがありません。では、なぜ重要であると言われているかというと構造的に背骨を支え上半身の動きや荷重を受け止め、下半身の動きや重力反作用を受けたり逃がしたり、連動させたりという作用を動きの少ない関節で行っているからです。
所謂、ぎっくり腰は殆ど仙腸関節の機能異常が原因で起こるので仙腸関節を制するものは骨盤筋群の障害に強いと言えるでしょう。しかし、そう簡単に制することが出来ないのもこの関節です。
「関節運動学や解剖生理学など理論を覚えた! テクニックをマスターした!」、でも・・??なんです!!上手くいって機能障害がとれ、痛みがなくなる人もいれば、上手くいかない人もいます。そんな時は凄く悩みます、なぜ?! なぜ?!って。
最近気づいた事ですが、解剖された関節の写真などを見比べてみると意外に関節断面が人によって違う事にひらめき、アプローチを変えると意外に反応が良かったりします。どうしても解剖学や生理学で習う事は一般的なもの、多くの場合は優位であるものを統計的に表現することが多く、仙腸関節で言えば「逆L字型で、凹面、凸面、凹面」と書かれている教書が殆どです。でも、実際にはI型や三角型などがあり、凸凹のWの形もその高低差によって様々なダブリューを描いていると思われます。これだけとってみても凸凹の法則が当てはまらない関節です(法則は蝶番Jにいえるのでしょうが・・・)
関節面だけではなく、関節にバイアスをかけているものがアプローチを阻害している事もあり、簡単にいかない場合もあるのですが、上手くいかないケースでは形状のイメージが出来ていないと考えています。その形状が違うものに対してイメージ力と感覚で操作するのでバラツキが出て成否を分けるのではないでしょうか。
これはあくまでも自分のレベルでの話であり、その道のオーソリティーの先生や自分の師匠達は違います。成功率と言うか効果が違って、フィニシュブローとして仙腸関節の矯正をしていますが(自分はジャブ程度の効きですが)仙腸関節由来のものであればかなりの効果が見込まれます。
仙腸関節のウンチクを書き出すとまだまだ、書き足りない部分があり、もっとディープな事も書きたいのですが誰も読まなそうなのでこの辺で終わります。
仙腸関節其の二・・・押してもダメなら引いてみな!!
仙腸関節に関して様々なアプローチがありいろいろと試してみるのですが、上手くいく時・いかない時の見極めが最近になって分かる様になってきました。(正確に言うと分かったつもりなのかもしれませんが・・)
仙腸関節の関節面(耳状面)の形が人によって違う事は前回書きました。耳状面の角度も施術する上では考慮しなければいけない点で、両方の腸骨に対して上からクサビを打つ形で仙骨がはまっていますが、その角度(仙骨底側から尾骨までの角度)が広い人ほど上部仙腸関節面の動きが大きくて(AKAの離開のテクニックがハマる感じ)、逆に狭い人はカッチリと動かない人が多い(SJFの方がハマりやすい)傾向があります。
これは個人的な感覚なので一概には言えませんが、治療する際はこの事を踏まえてパターン化して治療に入ります。前回の関節面の凸凹のパターンも人によって違うことはお伝えした通りなのですが治療のパターンとしては上部・中部・下部と分けて考えて行います。プラス背側と腹側の副運動を入れていきます。
イメージでいうと日本地図を立体的に思い受べて頂き、本州の部分の日本海側と太平洋側のアプローチとなります。ここでAKAとSJFの考え方を取り入れました、たとえば上部背側の離開をしている場合は腹側では面圧がかる状態になるように持っていくと両方の刺激が入ります。
もう一度整理すると、仙骨の大きさと傾き(2×2):関節面の凸凹(3):腹側背側(2)となります。そのほかにも仙腸関節に介在する軟部組織の状態を含めるとパターンが増えてしまうのですが考え方としてはこんな感じです。ただ実践的なアプローチとしては恥骨の動き(クランク運動)を反映した動きが仙腸関節に出ればある程度の効果は得られるはずです。仙腸関節だけにフォーカスしてもこれだけ有るので仙腸関節(骨盤体)に関係する軟部組織まで考慮していくと無数のアプローチになってしまうのは必然なのではないでしょうか?
仙腸関節其の三・・・仙腸関節との連動
前回、仙腸関節についてのウンチクを少しばかり書きましたが、何せイラストや画像がないのでわかりづらいと思います。しかしイラストを描ける技術もソフトもないので暫くは文ばかりでご説明させていただきます。
仙腸関節の副運動がわかりづらい為についついやってしまいがちなアプローチに、関節運動をさせようとしてしまう事があります。それはそれで意味があるアプローチですが、副運動を目的に機能障害を解除しようとしている場合は動かしすぎです!副運動を感覚的にとらえようとすると特異的な状態の関節に出くわしたときには手こずるケースが多いです。
最近では仙腸関節のアプローチとしては遠隔からの治療法をチョイスしています。シンクロ矯正法(小蛯cC)やAK(アプロイドキネシオロジー)などは、よく使わせていただいております。その他にも相似の関節(後頭骨とC1)、胸鎖関節、中手手根間関節などが遠隔の治療ポイントですが、形状が似ていればある程度応用が利きそうなのでいろいろと試しています。精度はまだまだですがもう少し落とし込めれば発表していきたいと思います。
なぜそんな事が起こるのか?? アナトミートレインや経絡、筋膜経線、支配神経による反射など、理由はそれなりに考えられますが仮説の域を出ていないのが実情です。
連動が多いのにはわけがある!
遠隔に治療点を求めるというのはいかにも東洋医学的ではありますが、西洋医学にも遠隔的なアプローチがあります。人間が二足歩行になった為、骨盤の立った状態をキープする力と重力、そして地面からの反作用などの力学的ストレスと形状的、機能的な要素が加わり症状を呈していると考えています。 力学的なストレスが原因でおこった障害は力学的な条件に合致したポイント(たとえば荷重重心のくるぶし)、や脳脊髄液の環流という問題で考えれば(S2とC1:硬膜の繋がり)で連動を見つけることが出来ます。
遠隔の治療の良い点は刺激量が少なくて済むという事と、例え失敗しても症状を悪化させる危険性が少ないという事にあります。顔の歪みと仙腸関節も連動していることが多いです。顎や側頭骨の問題なのですがその連動性の関連はまだまだ、研究中ですのでもう少しお待ちください。
[そ]・・・ 尊敬する人 |
自分の中に尊敬する人はどの位いらっしゃいますか?
私の尊敬する人は勿論師匠です。が!前にも書きましたが私には師匠が多くいて、どの師匠も尊敬していますすが社会的にと言うか、家庭的には恵まれていなかったり、少し変わっている所があったりします。職人気質であったり、学者、研究者、求道者であったり、どうも家庭を顧みないとか、本や資料・セミナーなどには金に糸目をつけない割に着ている物はいつも一緒であったり、離婚していたり、従業員にお金を持っていかれたり・・・と完璧な人間はいないんだと、そのことを知ってから逆な意味で安心したりします。
上は77歳の師匠から下は34歳の師匠がいます。その34歳のI師匠は理由があって今休業していますが、そのうちまた再開業すると思っています。I師匠には今でもメールや電話で質問をするのですが、考え方が近いというか、治療の組み立てが似ているというか、質問する答え合わせの為に聞いている感じです。
特に一人院でやっていらっしゃる先生は悩む事って沢山あると思います。治療でも経営でも人材マネジメントでも相談できる人って意外に少ないんですよね。会社でも、学校でも、サークルなどでも相談できる尊敬する人を見つけるといいですよ!相談できる友達や同僚よりもです!なぜならば、同じ目線で見ている、経験値が同じだと、なかなか導き出すのに大変なんです。RPGのゲームとかと同じですよね、この先の展開は鳥瞰図のように見えたほうがいいし、経験値が高いほうが対応力が強いですよね。I師匠は私より年下ですがメンターでありよき友達でもあります。またそのうち再開してくれると思いますが・