膝の痛み

◆膝の痛みについて大きく分けて3つの分類で話をさせていただきます。
外傷性・・・スポーツや日常生活、お仕事に於いて膝関節に外因性の外力が加わり
   損傷するものや、自己筋力による過剰収縮力の負荷によって軟部組織の損傷などがあります。
 
 靱帯損傷 膝には膝蓋靭帯、内、外側副靭帯や前、後十字靭帯、弓状靭帯、斜膝窩靭帯などの靭帯が多数あり、バイオメカニクス的理由から損傷を受けやすいとされています。 
 半月損傷  その昔は「半月板」と呼ばれていましたが現在は半月が解剖学的名称です。
主にクッションの役目を担っており、大腿骨からの荷重や脛骨からの反作用を上手く和らげて運動連鎖の繋がりをコントロールする働きがあり、半月が損傷する事により運動を制限されます。
 その他  関節包、滑膜ヒダ、関節軟骨、などの損傷や炎症による炎症などがあります。

外傷性膝関節への当院でのアプローチ

1、損傷部位の特定:徒手的検査による損傷部の特定、症状によっては国立甲府病院の
  「スポーツ・膝外来」をご紹介させていただいております。
2、RICE:「Rest」安静、「Icing」冷却、「Compression」圧迫、「Elevation」挙上を
  基本とし損傷部の早期回復を図ります
3、物理療法:マイクロカレント(微弱電流)、超音波1〜3Mh、Hi-Volt(直流電流)などを
  コンビネーションしながら治療いたします。
4、手技療法:関節包内療法、筋膜リリース、PLF療法、活法などの徒手療法を併用する事で、
  損傷部以外に起こる筋スパズムや不随意性の反射を除去し、損傷部位に係るテンションを取り
  除く事により、損傷部への血流、リンパ等の修復因子を促します。
   ※膝の治療で多いケースは損傷部位以外の緊張を取ってやるだけで楽になり、
    治療効果が上げられます。
5、復帰:リハビリメニューをご提案し、痛み、パフォーマンス程度、試合日程を考えながら
  目標設定し、早期の競技復帰を目指します。

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変形性・・・・加齢による関節軟骨の磨耗により、関節面の変形や炎症により関節液の
   増量の為、関節固有の受容器が反応し炎症症状(腫れぼったさや曲げづらさ)を
   呈してきます。

変形性膝関節症への当院でのアプローチ

1、変形性に対する考え方:治療によって変形している部分が元に戻ったり、曲がりきらない膝が
  正座が出来たりと言うことはありません!まず、この認識をして頂いてから治療に入ります。
  治療はこの考え方から次のステップを踏んで頂く為のお手伝いとなります。
2、冷、温罨法:炎症が強く腫脹が見られる場合は冷やしますが、温めて患部の代謝を促します
  (温灸、トルマリン灸、遠赤外線温熱器、電子鍼)
3、手技療法:皮膚診、関節包内矯正、PLF療法、活法などの徒手療法を用いて治療いたします。
  治療の考え方は外傷性と同じで、損傷部以外の緊張を取ってやると膝の可動域が増し、
  関節液の還流が起きて関節内の栄養を促します。
   ※膝の場合は骨盤、股関節や足関節の調整をする事が多いです。
4、予後:未来、将来的に考え、自己調整法や自己鍛錬法を継続して頂く事で変形性の度合いを
  遅くしてやり、長くご自分の足で歩かれる事が身体の隅々にまで好影響を与えるものと考えて
  おります。

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特発性・・・分裂膝蓋骨、腫瘍、オスグット氏病、タナ障害、シンディン・ラーセン・ヨハン
   セン病など元々、生まれつきに形状が不適合な場合であったり、形状が弱く、その部分に
   力学的刺激が加わり痛みとして発生すると考えられます。


オスグッド氏病を例にお話させていただきますと、よくオスグッド=(イコール)成長痛と言われていますが、成長痛であるなら両側に出てもおかしくないし(両側に出る子もいます)スポーツなどの運動をしていない子供たちにも発生していいはずと考えます。疫学的にいえば、第二次性徴期の運動をやっている男の子に多く見られます。女の子の場合も有りますが数的にはごく稀です。 最近ではMRIなどの診断画像によって、骨膜の不整が認められるという研究発表がなされていますので痛みの激しい子は「骨折」と同等の痛みを感じていると思われます。
  ※自分が整形外科に勤務していた時の院長は、出っ張った骨の部分を木づちでポーンって
   叩いて、患者さんはベッドから転げ落ちるほどのた打ち回って足を引きずりながら帰って
   行くのですが、3〜4日後にはけろっとして、顔を出して痛みもなく挨拶に来ていました。 

オスグット氏病への当院でのアプローチ

骨膜の離断などがある場合は経過が長くなりますが、骨盤、股関節、足関節の調整をして大腿の緊張を取ってやり、脛骨を上げてやると、かなり痛みとしては減痛してくれます。
ただ、同じような生活様式や、スポーツの前後のケアが怠っているならその辺の改善を促しておく事が大切です。

◎特発性というカテゴリーにはしていますが、素因プラスの要素が重なりあって、症状として出るのではないかと考えます、プラスの要素を少しでも減らしてあげる事が膝の痛みの改善に繋がると思います。


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