TEL.
055-298-4566 |
ここでは、患者さんにお渡ししている「ニュースレター」や「お休みのお知らせ」の中から、身体・治療に関する事を書いた物を集めております。
一体、誰が読むんだ!!と思える内容なのですが、当院に来てくれるクライアントさんは理論好きで意外に読んでいて下さり、逆にマニアックな質問を受けたりもします。
そんな質問に答えられる様に勉強し直したり情報を集めたりして、クライアントさんと切磋琢磨して出来たページです。
お時間が取れる時に読んでみて下さい。
※毎回、枕の部分とお尻の部分の内容が全然違っていて「フリ⇒オチ」になっていない!とご指摘を受けます。
その通りなので、文章力のなさを痛感しています。。。
あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 |
---|---|---|---|---|
は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 |
[な]・・・ 何故!? |
治療をしていると必ず、壁に当たることがあります。
「何故、治らないのか?」考えすぎて夜も寝られなくなる事もあります。
様々なテクニックを学び、解剖学、生理学、運動学、など治療に必要なスキルを詰め込んでいても治らないときは治らないのである。
逆のパターンもあります。初検の検査と主訴で大体の見当をつけて治療するのですが、そのアバウトな感じで治ってしまうときもあります。その治る、治らないの境界が未だにわからなかったりします。
基本的にはメカニカルな今流行りのエビデンス(医学的根拠)に基づいた思考や思想を重んじていますが、「どうやらそういう世界」もあるらしいって思えるようになってきました。
この事は以前にも書いた気がしますので割愛致しますが「何故治らない?」と考える事が治療家を成長させるのではないでしょうか!最近では「何故!?」すら思わない柔道整復師がいたりもしますが、殆どの柔整師は地道に患者さんと相対して症状改善の為に技術、知識を研鑽して社会貢献しております。
古流柔術を素として面々と受け継がれてきた素晴らしい技術を後世に伝えられたら、と考える次第です。
[に]・・・ 任侠 |
その昔病院に勤めていた際にヤ○ザの親分が入院してきて、病室の前にはボディーガードが張り付いていて、看護師さんもビビりながら仕事をこなしている状態でした。
そんなある日、院長に呼ばれ「○○さんが背中が痛いから、鍼をうってやって!」と鶴の一声並みの業務命令が下り、戦地に出向くことになりました。
緊張しながら治療をして3〜4回の治療で殆ど良くなってくれたのですが、2回目の治療で皮下溢血を起こしたらしく3回目の施術の際に背中に鍼を打とうとしたら背中の紋紋(TATOO)の鯉の一部分が青っぽく見えるじゃありませんか!「まずい・・」と思いましたが、本人には見えないし、症状も改善している様だったので事なきを得ました。後に退院する際に、組長さんの奥さんに「あのアザがばれなくて良かったわね!」と言われ、知っていた事に冷や汗をかきました。
後に院長に、今度は薬か注射で何とかして下さい。とお願いしたら、肝臓を患っていたからあれ以上他の薬を増やす訳にはいかなかった!と言われました。
プロだなぁって思う反面、他にも理学療法士や柔道整復師の先生がいたのに!とその時は思っていましたが、最近では「あれは俺しか行かんわなぁ!」と思えますね。今じゃ、絶対に行きませんが・・・
[ぬ]・・・ 抜き |
「膝抜き」という言葉を聞いた事があるでしょうか?
古武術などの技の中の一つで、簡単にいうと「膝カックン」を意識的にしてその反発を推進力に変える技です。
youtubeなどで検索してもらうといくつか映像が見られます。福島千里選手(女子100m日本記録保持者)を指導している中村宏之氏の指導理論も、反発力を利用した走りを織り交ぜています。
スポーツにおいて大切な要素である瞬発力、俊敏性などは100メートルのタイムより、50メートルのタイムが速いほうが重要視されるし、競技によっては0〜5mや0〜10mの速さが大事であったりします。
サッカーなどは特に、一瞬の飛び出しが良ければ相手よりいいポジションを取れるし、野球などの盗塁はピッチャーの投球動作から判断しての一瞬のスタートで決まったりします。いい選手やスタートのいい選手は自然にやっていたりするので、「膝抜き」の映像を見てから選手の動きを見てみると面白いですよ!
「膝抜き」のいいところは、筋力にあまり頼らずに行える点だと思います。日本人はどうしても外国の選手と比べると筋力が劣る(これは同じ、体格でも、体重でもその傾向が見られます)。しかし、日本人の優れているところは巧緻性ではないかと考えています。巧緻性は本来は手先の器用さなどを表すものですが、スポーツなどでも器用さを表す言葉として使われるようになってきました。
筋力や体躯の大きさを補える要素として日本人が得意とする巧緻性を説明するのにこの「膝抜き」を例として説明する事が多いです。詳しい説明は小田伸午(関西大学教授)先生のサイトや書籍が出ていますので、興味のある方はお読み下さい。
[ね]・・・ 熱心 |
セミナーに参加する日曜の朝などに、駅で患者さんとお会いする事があります。「どこに行かれるんですか〜?」「セミナーです」このやり取りを何回した事か!
でも、自分が参加しているセミナーには九州や関西、東北など遠方からいらっしゃる先生が多く、その熱心さに比べたらまだまだであります。それこそセミナーに年間300万円も使ったという先生もいらっしゃいます!(それだけ稼いでるという事なのですが・・)
勉強するにはお金も時間もかかります。しかし、より大切な事は患者さんの痛みや症状を取り除き、少しでも希望を持って頂く!それが治療家の本質的な部分であると信じています。
経営もサービスもコミュニケーションも大事であり、それらも勉強中であります。「本質」を優先するあまり、患者さんを疎かにしてしまったりと、まだまだ未熟ではありますが、毎年スキルアップ出来る様に勉強しています。今年取れなかった痛みも、来年は治せる様にとセミナーに通っております。熱心ではなく「諦めの悪い治療家です」
[の]・・・ 脳 |
脳生理学、脳科学と言われる言葉が一般化してきましたが、それですら脳の機能的なものの解析をすれば極々一部で、後は不明な事が多いそうです。
そもそも「痛み」というものは、刺激を受けた部分で感じるのではなく、伝達された脳で感じています。例えば皮膚をつねられたとします。つねられた刺激が侵害刺激として受容された場合、その痛みに対応する受容器が知覚神経を介して脊髄を上行し脳で認識されます。痛みの種類によって、抑制系の反射を示したり痛みを促進させ危険が迫っている事を解ってもらう為の反射をさせたりします。
クレニオセイクラルなどのオステオパシーの一部のテクニックや肘井先生の使われるテクニックや脳・脊髄に対して徒手療法はどのようにアプローチしているか! クレニオセイクラルとかのオステオパシーの一部のテクニックや肘井先生の使われるテクニックや宮川整體、SOTなどはそのカテゴリーに含まれると思います。(クレニオやSOTは違うかも知れませんが頭蓋骨へのアプローチは身体の各部分への影響あるのでカテゴリーに入れました)
徒手療法でなくても心理療法の前世療法やインナーチャイルド療法など治療も脳へのアプローチではないかと考えます。脳科学、脳生理学の研究が進めば痛み自体の捉え方も換わってくるのではないでしょうか?!
脳の研究と書くと西洋医学の範疇ととらわれそうですが、古来からの活法や整體の中には脳の錯覚や潜在的な反射を利用した治療法があり、知っていると非常に治療の幅が広がります。ただ、科学的とか現代的とかというフィルターに掛けられてしまうと再現性やエビデンスのある説明が難しく、「同じ結果が出ない」とか「裏づけがない」などと揶揄される事もあります。しかし先程も申し上げた通り「脳」について解っている事はほんの一部で、どれが正しい、どれが正しくないという議論はこれからもっとされるべきではないでしょうか?